昭和62年問11の解説、正解は(4)

昭和62年[問 11] 弁済
AはBに対し金銭債務を負っている。この場合、民法の規定によれば、次の記述のうち正しいものはどれか。
(1)Bの承諾をうければ、Aの意思に反する場合であっても、弁済をするについて正当な利益を有しない第三者Cはこの債務を弁済することができる。
(2)この債務が利息を生ずべきものであるときに、Aの弁済額が元本と利息の合計に不足する場合は、Aが特段の指定をしない限り、まず元本にこれを充当する。
(3)Aのために弁済をなしたAの連帯保証人Cは、Bの承諾なくしてBに代位できるが、これをAに対抗するには、BからAに通知するか、Aが承諾することが必要である。
(4)Bの代理人と称するCが受取証書を持ってきたので、AはCに対して弁済をなした。CはBの代理人ではなく、当該証書は盗まれたものであるとしても、Aの弁済は有効となることがある。

昭和62年[問 11] 正解(4)
(1)誤り。「弁済をするについて正当な利益を有しない第三者」(C)は、債務者(A)の意思に反して、弁済できない。債権者(B)の意思に反しないかどうか(債権者の承諾を得たかどうか)は無関係だ。
(2)誤り。債務が利息を生ずべきものであるときに、弁済額が元本と利息の合計に不足する場合は、特段の指定(特約)がない限り、費用・利息の順に充当しなければならない。したがって、「まず元本にこれを充当する」ことはできない。
(3)誤り。連帯保証人(C)は、「弁済をするについて正当な利益を有する第三者」だ。弁済をするについて正当な利益を有する第三者が弁済した場合は、当然に(債権者Bの承諾なく)債権者に代位する。また、債権者に代位することを債務者(A)に当然に対抗できる。BからAに通知するとか、Aの承諾を要するとかの、面倒な手続きはいらない。
(4)正しい。「受領権者としての外観を有する者」(C)に対して、債務者(A)が善意・無過失で(CをBの代理人と信じて)弁済した場合には、その弁済は有効となる。したがって、本肢のような場合、CがBの代理人ではなく、その証書が盗まれたものであるとしても、Aの弁済が有効となることがある(つまりAが善意・無過失の場合)。

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