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宅建業法の目的は一つに絞って勉強しよう

更新:平成21年11月3日

(1)イントロ

私たちの日常の行動が目的 (例:会社に出勤する) と手段 (例:電車に乗車する) の関係で成り立っているように,法律の構造も目的と手段の関係で成り立っています。

だから,私たちが法律を理解するには,その法律の目的を調べておくことがとても重要になります。

そこでこの記事では,宅建試験で一番出題される宅建業法の目的の見つけ方について書きたいと思います。
 

(2)条文を見る

宅建業法の目的は,宅建業法の第1条に書いてあります。
こんな条文です。


(目的)
第1条
この法律は、宅地建物取引業を営む者について免許制度を実施し、その事業に対し必要な規制を行うことにより、その業務の適正な運営と宅地及び建物の取引の公正とを確保するとともに、宅地建物取引業の健全な発達を促進し、もつて購入者等の利益の保護と宅地及び建物の流通の円滑化とを図ることを目的とする。


長ったらしい文章ですが,この条文の「もって」以下が宅建業法の目的です。

つまり条文上は,
・ 購入者等の利益の保護
・ 宅地及び建物の流通の円滑化
の二つが,宅建業法の目的です。

もっと普通の言葉に直せば,
・ お客さんの保護
・ 取引をスムースにする
の二つが,宅建業法の目的だと書いてあるわけですね。
 

(3)宅建業法の目的は一つに絞って勉強する

皆さんは,
お客さんの保護
取引をスムースにする
の二つのうち,どちらが重要な目的だと考えますか?

答はです。
なぜだと思いますか?

「お客さんの保護」のために「取引をスムースにする」という理屈は成り立ちますが,「取引をスムースにする」ために「お客さんを保護する」という理屈は成り立たないからです。
したがって,「 お客さんの保護」の方が重要な目的なのです。

そもそも宅建に合格するコツは,要領良く整理することです。整理こそが合格のコツ!

だから,宅建業法の目的はより重要である一つ(お客さんの保護)に絞って勉強するのが,要領よく整理することのポイントになります。
上の二つの目的を二つとも並列的に押さえるのは,要領良く整理することに反し,短期合格のためには極めて不合理です。

古来よりヨーロッパ諸国で使われていた紋章に「双頭の鷲」(double-headed eagle)というのがありますが,宅建業法の頭は一つに絞って下さい。
宅建業法を勉強する際の「双頭の鷲」は,化け物だと思いましょう!
 

(4)道路交通法とは違う

私たちが車を運転する時にお世話になる法律に,道路交通法があります。

この法律の目的も,道路交通法の第1条に書いてあります。
こんな条文です。


(目的)
第1条  
この法律は、道路における危険を防止し、その他交通の安全円滑を図り、及び道路の交通に起因する障害の防止に資することを目的とする。


この条文を要約すると,
・ 交通の安全
・ 交通の円滑
の二つが,道路交通法の目的だと読めます。

もっと普通の言葉に直せば,
・ 命の安全
・ 渋滞の解消
の二つが,道路交通法の目的だと書いてあるわけです。

皆さんは,
命の安全
渋滞の解消
の二つのうち,どちらが重要な目的だと考えますか?

答は,どちらが重要だと判定することは不可能です。
なぜだと思いますか?

「命の安全」のために「渋滞の解消」を図るという理屈は成り立たず,「渋滞の解消」のために「命の安全」を図るという理屈も成り立たないからです。
したがって,「命の安全」と「渋滞の解消」のどちらが重要だと判定することは不可能なのです。

要領良く整理しようとしても,自動車がなければ一日たりとも生活できない現代社会では,「命の安全」と「渋滞の解消」は優劣をつけがたいという事です。

したがって道路交通法の世界では,双頭の鷲(頭が二つ)も有り! となります。
 

(5)マトメ

以上をマトメるとこうです。

宅建業法の目的は,条文上二つ書いてあるが,二つの目的は優劣がつけられるので,要領よく整理して短期合格を目指すには,目的を一つ(お客さんの保護)に絞って勉強する!

道路交通法の目的も,条文上二つ書いてあるが,二つの目的は優劣がつけられないので,目的を一つに絞って理解するのは不可能。

今日の記事は,法律の勉強以前の初歩的な論理学ないし国語学の話ですが,これから勉強を始める皆さんが短期合格したいと思うなら,絶対に覚えておいて損はないです。
何事も最初が肝心です!



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