宅建の迷物図書館 >> 【宅建試験】号外

平成21年度【問22】(3)の正しい解説

更新:平成21年11月7日

(イ)イントロ

平成21年度【問22】(3)は農地法の問題で,こんな肢です。


農地法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
肢(3)
市街化区域内において2ha(ヘクタール)の農地を住宅建設のために取得する者は、農地法第5条第1項の許可を受けなければならない。


(ロ)現在公開されているA社の解説

誤り。
市街化区域内の農地を農地以外のものにするために取得する場合には,農業委員会にあらかじめ届出をすれば,農地法5条に規定する許可を受ける必要はない。農地法5条1項3号。

(ハ)現在公開されているB社の解説

誤り。
市街化区域内にある農地・採草放牧地を,農地・採草放牧地以外のものにするために,権利を取得する場合には,農業委員会に届け出るだけでよく,都道府県知事の許可は不要である(農地法5条1項3号)。

(二)現在公開されているC社の解説

誤り。
市街化区域内にある農地又は採草放牧地につき,農地及び採草放牧地以外のものにするため,これらの権利を取得する場合には,農業委員会に届け出れば許可は不要である(農地法5条1項3号)。

(ホ)正しい解説

A社・B社・C社ともに,解説の中に「市街化区域内の農地等の農業委員会への届出」というフレーズがありますが,こんなのは本肢の解説としては全然関係ないです。
問題文にも,そんな事は一行も書いてありません。
私はこれらの解説の元ネタを知っているので,ただ唖然とするばかりです。各予備校が発表している【問22】の正解率は80パーセント前後を示していますが,こういう解説に出会ってしまうと,正解率の発表までがウサン臭いと感じてしまうのは,私だけなのでしょうか?

本肢は,農地を住宅建設のために取得する場合なので,5条許可(転用目的での権利移動の許可制)の問題ですが,原則は,市街化区域内にある農地でも5条許可が必要です。

じゃなぜ,本肢を「正しいものにカウント」できないのでしょうか?
それは,5条許可を受けなければならない者について,ウソっぽい事が書いてあるからです。

5条許可を受けなければならないのは,当事者(例:売買なら売主と買主の双方)です。
それなのに,本肢では「取得する者は…」って書いてあります。
これじゃ,5条許可を受けなければならないのは買主だ! と読めちゃいますね。
だから,本肢は「正しいものにカウント」できず,正解肢にはならないのです。

(へ)出題者が参考にしたのは大昔の過去問?

今から33年も前の昭和51年に,農地法でこんな問題が出ました。


農地について権利を設定移転する場合には、当事者は、一定の場合を除き農地法第3条第1項又は第5条第1項の規定による許可を要するが,次に掲げる権利のうち、その設定移転につき許可を要しないものはどれか。
(1)永小作権
(2)質権
(3)抵当権
(4)賃借権                【答は(3)】


出題者は,この問題の当事者という単語にヒントを得て,平成21年度【問22】(3)を作成した,というのが迷物講師の推測です。


※ 参考

無料の参考書・テキスト | 転用目的での権利移動の許可制(5条許可)

農地法第3条1項

農地法第5条1項



宅建の迷物図書館 >> 【宅建試験】号外