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平成21年度【問14】の解説

更新:平成21年11月27日

平成21年度【問14】は不動産登記法の問題ですが,この問題,すでに「問題文丸写し条文丸写しの手抜き解説が横行」してます。
そこで,有料教材のネタを少しの間だけお見せします。なお、この記事は実際の有料教材より質がいいです!(笑)


【問14】

不動産の表示に関する登記についての次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)土地の地目について変更があったときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その変更があった日から1月以内に、当該地目に関する変更の登記を申請しなければならない。
(2)表題部所有者について住所の変更があったときは、当該表題部所有者は、その変更があった日から1月以内に、当該住所についての変更の登記を申請しなければならない。 ⇔ 正解肢
(3)表題登記がない建物(区分建物を除く。)の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から1月以内に、表題登記を申請しなければならない。
(4)建物が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その滅失の日から1月以内に、当該建物の滅失の登記を申請しなければならない。


前提話

この問題を理解するには、下の赤い字がキーワードになる。

本問は、表示に関する登記の申請義務が課されている場合を問うものだ。表示に関する登記とは、登記記録の表題部にされる登記のこと。

表示に関する登記は、固定資産税等の「税金取り立ての資料」としての意味合いが強い登記なので、不動産の「物理的状況」に変動があったときは、原則として申請しなければならない(申請義務がある)。

そして申請すべき期間は、表題部に記録すべき事項に変動があってから1ヵ月以内と決められている。税金取り立ての資料としての意味合いが強い以上、できるだけ速やかに登記記録に反映させるべきだから。

また以上の申請義務は、その不動産の所有者等に課されている。不動産の物理的状況の変動を最も早く正確に知り得るのは所有者等だから。


(1)の問題文

土地の地目について変更があったときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その変更があった日から1月以内に、当該地目に関する変更の登記を申請しなければならない。


(1)正しい。

土地の地目変更(主な用途の変更)があったときは、変更があった日から1ヵ月以内に、変更の登記を申請しなければならない(不動産登記法37条1項)。申請義務を負うのは表題部所有者または所有権の登記名義人だ。なお表題部所有者とは、表題部に記録された所有者のこと。表題部所有者が申請義務を負うのは、権利部に所有権の登記(甲区の登記)がない場合だ。それに対して、所有権の登記名義人が申請義務を負うのは、権利部に所有権の登記(甲区の登記)がある場合だ。要するに、その不動産の物理的状況の変動を最も早く正確に知り得る所有者等が申請義務を負うわけ。


(2)の問題文

表題部所有者について住所の変更があったときは、当該表題部所有者は、その変更があった日から1月以内に、当該住所についての変更の登記を申請しなければならない。


(2)誤り。 ⇔ 正解肢

表題部所有者(表題部に記録された所有者)の氏名や住所に変更があっても、その変更についての登記を申請する義務はない。だから、「1月以内に…申請しなければならない」ということもない。表題部所有者の氏名や住所も、登記記録の表題部にされるので表示に関する登記ではある。でも、氏名や住所の変更登記を義務付けても「税金取り立ての資料」としての意味合いはそれほどでもない(住民票等で追跡できる)し、氏名や住所は不動産の「物理的状況」でもないので、申請義務がないとされる。


(3)の問題文

表題登記がない建物(区分建物を除く。)の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から1月以内に、表題登記を申請しなければならない。


(3)正しい。

「表題登記がない」というのは、表題部の記録がまだないということだ。そういう建物の所有権を取得した者は、取得の日から1ヵ月以内に、表題登記を申請しなければならない(不動産登記法47条1項)。「税金取り立ての資料」としての意味合いが強いからだ。例えば、固定資産税は固定資産の所有者に課税されるが、その所有者は表題登記に登記されている者で確定される(地方税法343条)。なお、分譲マンション(区分建物)の表示に関する登記は、分譲業者が全戸分を一括申請することになっていて、分譲業者から各戸を取得した購入者には表示に関する登記を申請する義務がないので、以上の話は問題文にあるように「区分建物を除く」ことになっている。


(4)の問題文

建物が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その滅失の日から1月以内に、当該建物の滅失の登記を申請しなければならない。


(4)正しい。

建物が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その滅失の日から1ヵ月以内に、その建物の滅失の登記を申請しなければならない(不動産登記法57条)。建物が無くなってしまったのだから、「税金取り立ての資料」としての意味合いは強く(今後課税されない)、「物理的状況」の変動でもある。そんな理由から1ヶ月以内の申請義務が課されている。




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